その甘さ、毒牙につき
「うん、甘い」
わかってはいたけど、瑞樹くんはかなりのやり手。
相手を翻弄するのがあまりにも上手すぎる。
「これより甘いチョコレート、ちょうだい?」
ぺろりと唇を舐めた仕草が、高校生とは思えないほど色っぽい。
瑞樹くんの唇に目がいってしまうのをなんとか抑えて、瑞樹くんを見上げた。
「……それは、難しいよ」
「…でも、僕さ」
口角を上げて、おでこにチュッと唇を落とした後に、
「他の人からはひとつも欲しくない。ももから“だけ”受け取りたいの」
揺るぎない瞳が、瑞樹くんの本気を示してる。