その甘さ、毒牙につき
たしかに、私は瑞樹くんと話すだけでも本当は精一杯。
目を合わすことさえ難しくて、触れるなんてもってのほか。
瑞樹くんが抱きついてくることに、いつになっても慣れないでいる。
自分はそれを望んでいるというのに、おかしな話だ。
「頑張んなよ。ももなら出来るって!絶世の美少女なんだから!」
「美少女じゃないから…」
何回言うんだ、とツッコミたくなるのを抑えて考える。
でも、芽奈の言うことはもっともだよね
芽奈は涼太くんと付き合うまでに、色んな努力をしていた。