その甘さ、毒牙につき
相変わらずの芽奈に呆れつつ、気を取り直してもう一度よくお店を見てみる。
いかにもオシャレな人しか来なそうな雰囲気だけど…。
芽奈のご家族が経営しているということもあってか、入りにくさは全くない。
むしろ、「どうぞどうぞ〜」と歓迎されている感まである。
「あ、涼太〜!こっちこっち!」
すると突然声を上げ、手を振りだした芽奈。
……涼太?
もしかして…と思っていたら、案の定予想は当たり。
「はじめまして。芽奈の彼氏の北野涼太です。芽奈が突然誘ったそうで、本当すみません」