その甘さ、毒牙につき
「の、のっくあうと……」
少しだけこのままの状態で瑞樹くんと接する私を想像してみる。
………可愛いって、言ってくれるかなぁ?
どう頑張っても、褒め言葉が帰ってくる未来が見えない。
それどころか、「厚化粧」とか言われたりしそうで。
瑞樹くんは、たまーに甘い言葉を吐くくせに、屈折してるから意地悪なこと言う時の方が圧倒的に多いんだ。
何回それで惑わされてきたことか…。
「…ま、とにかく明日もやったげるから!もものために、頑張って早起きしてあげよう!」
「ありがたいけど、自分のためにも早起きくらいしなよ?」
「善処する」
そんな芽奈の言葉に呆れつつも、2人で笑いあった。