その甘さ、毒牙につき


それから私たちは、一旦店の中に戻った。



今までいたのはお店の裏側の、従業員用のパウダールーム。



…ほんとに従業員用?と聞きたくなるくらい大きくて綺麗だったけど。



「いや〜お待たせ。どーよこの仕上がり……って、ん?」



店内で待っているはずの涼太くんに声をかけた芽奈の声が、不思議そうなものに変わった。



「芽奈?どうし…」



「あーっ!桃李!桃李じゃん!おひさ〜!」

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