その甘さ、毒牙につき
不安そうな瞳で聞いてくるから、ブンブン頷く。
こんな人に頭を下げさせるなんてとんでもない…!
そこまで悪いことされてないんだから、謝らなくたっていいのに。
「そっか、ありがとう。優しいね、伊咲さんは」
「そんなことはないですけど…」
今のどこに優しさを感じたんだろうか。
「敬語じゃなくていいよ。タメでしょ?」
「あ、そう……だね?」
「ははっ、伊咲さんって面白い」
うーん…?さっきから西条くんの感覚がわからないな。