その甘さ、毒牙につき
「…やっぱり、ももちゃんって呼んじゃダメ…かな?苗字呼びってよそよそしくて、ちょっと苦手なんだ」
それは……たしかにそうかも。
初めて西条くんの意見に共感し納得する。
「どんな呼び方でも大丈夫。好きに呼んでください」
そう言うと、顔をパァっと明るくさせる西条くんに、少しビクつく。
……えっーと?
「ほんと…?ありがと、ももちゃん」
「う、ううん…。大袈裟だよ」
そんな、呼び方ひとつでそこまで喜ぶものなの…?
「それは…ももちゃんと仲良くなれた気がして、嬉しいからだよ」