その甘さ、毒牙につき
「っ、へ、へぇ…」
唐突に甘いセリフを吐く西条くんに、どう反応していいかわからない。
…やっぱり、チャラ男では…?
西条くんの人間性を見極めていたら、いつの間にか駅前まで来ていた。
「あ…じゃあ私、電車乗らなきゃだから」
そう言うと、西条くんは眉を下げる。
「そうなんだ…残念。もうちょっと、ももちゃんといたかったなぁ」
喜んだり落ち込んだり…表情がコロコロ変わる人だと思う。
どこかの誰かさんとは、大違い。
ふふ…こんなことを思ってたら、今頃くしゃみしちゃってたりして。