その甘さ、毒牙につき

「っ、へ、へぇ…」



唐突に甘いセリフを吐く西条くんに、どう反応していいかわからない。



…やっぱり、チャラ男では…?



西条くんの人間性を見極めていたら、いつの間にか駅前まで来ていた。



「あ…じゃあ私、電車乗らなきゃだから」



そう言うと、西条くんは眉を下げる。



「そうなんだ…残念。もうちょっと、ももちゃんといたかったなぁ」



喜んだり落ち込んだり…表情がコロコロ変わる人だと思う。



どこかの誰かさんとは、大違い。



ふふ…こんなことを思ってたら、今頃くしゃみしちゃってたりして。
< 56 / 108 >

この作品をシェア

pagetop