その甘さ、毒牙につき

「うん…って、“今日は”…?」



聞き捨てならないワードが飛び出して聞き返すと、ニコリと微笑まれた。



「俺、ももちゃんのことすっげー気になってんの。だから、また会ってくれると嬉しいな」



「っ…え?」



それってどういう……。



「じゃあ、またね。帰ったら連絡ちょうだい。
…待ってるから」



耳元で囁いた西条くんの顔を見ようとしたけど、もう反対方向を向いていた。



…どこまでが本気なのか、わからない。



でも、どう考えても私に気に入られる要素なんてないし。



西条くんのあの感じからすると、他の子にも言ってたりする…よね?
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