その甘さ、毒牙につき

「…どーしたの、そのカッコ」



「どうしたって……変、かな?」



ちゃんと顔を見たいけど、身長的な問題で必然的に上目遣いになってしまう。



瑞樹くんを見上げて首を傾げると、ぶわっと効果音がつきそうなくらい顔が赤く染った。



「っあ〜もう、ほんとだめ」



瑞樹くんは顔を手で覆ったけど、もう遅い。



「そんな可愛いもも見たら、どうにかなっちゃいそう」



私の顔は、だらしなく緩みきっている。



「か、かわいい…?」



「そう言ってるでしょ」



「えへへっ……やった」

< 65 / 108 >

この作品をシェア

pagetop