その甘さ、毒牙につき

さすがに嬉しすぎて、声に出して笑っちゃった。



だって、こんなの喜ばない女の子はいないよ。



可愛くなった自分を好きな人に褒めてもらえるなんて、最高すぎる。



気分は最高潮。



そんな私に、瑞樹くんは余裕のなさそうな顔で腕を伸ばし───



「っわ…?!」



「誰にも見せたくないんで、ちょっと黙って抱きしめられてて」



「っ…」



そのまま腕の中に閉じ込められてしまった。



ムスクの香りに包まれて、甘さにクラクラする。



今、ここにいるのは私たちだけ。



誰もいない教室で、2人っきり。

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