その甘さ、毒牙につき

ということは、もちろん西条くんや涼太くんも見ているわけで…。



そんなことを正直に話す必要性は全くないのに、嘘をつくのがヘタな私は黙り込んでしまう。



…どう、しよう。



「…へぇ、僕以外の男も見たんだ」



さっきまでの照れていた瑞樹くんはどこへやら。



途端に機嫌が悪くなった瑞樹くんは、黒いオーラをまとっている。



「誰に見せたの」



「だ、誰って……」



……逆に、なんでそんなに怒ってるみたいな言い方するの?



私は瑞樹くんの彼女でもなんでもない。

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