その甘さ、毒牙につき


あまりにも衝撃的な光景すぎて、驚いた拍子に教卓を揺らしてしまう。



「い、今の音なに…?」



宮野さんの声が聞こえ、慌てて身を縮める。



どうしよう…!?このままじゃバレちゃ…



もうダメだ…と諦めかけたとき。



「…どーせ風で動いたんでしょ。気にする事無いんじゃない」



抑揚のない声が宮野さんを静止させ、小さくため息をはいた。



その声の主は、先程まで宮野さんとキスをしていた瑞樹千冬くんで。



学校で知らない人はいないくらいの有名人。



来る者拒まず、去るもの追わずの遊び人だと言われている。
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