その甘さ、毒牙につき
「予定変更ってなに…っ!?」
私より断然足が長いから、歩く速度も早い早い。
瑞樹くんは早歩き程度なのに、私は軽く走らないと追いつけないレベル。
「ひみつ」
唇に指を当ててポーズを決める瑞樹くんは、さながらアイドルのよう。
じゃなくて……!
「とりあえずスピード落として…!」
「うん、頑張って」
答えになってないんだけど…。
女の子に対してその返答はいかがなものかと思いつつ、仕方なしにそのままついて行った。