その甘さ、毒牙につき
病みつき
「えっと……ここは?」
「僕の家だけど」
「そうなんだ………って、え…?」
…今、なんて言ったの?
私の最寄り駅から徒歩数分歩き、やって来たのはタワーマンション。
首を思い切り上に向けて見上げないと、1番上の階が見えないくらいの高さ。
そこが、瑞樹くんの家……?
口をぽかんと開けた私は、今どんな顔をしているのだろうか。
とても間抜けな顔をしているに違いない。
「まぁ、とりあえず行こ」
「う、うん……」
私は一軒家しか住んだことがないから、マンションの仕組みはよく分からない。