心臓と雪

胸の裂けた痛みで目を覚ました。
また雪が降っていた。

命をとりとめて、美命にとっては
何ひとつ変わらない目覚めの時だった。

チューブに繋がれて、声が掠れて全く出なかった。これもいつものことだ。

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