心臓と雪
すると看護師のおそのさんが病室に入ってきた。ゆっくりしたくてもプライベートもなければ時間もない。看護師が2時間おきに熱を計りにくる。検査や採血は毎日だし腕は紫に腫れていた。

「おそのさん?」

「ん?どうした?」

おそのさんには彼のことが見えていないらしい。

「大丈夫です。ありがとうございます」

体温計が鳴る。

「熱上がってきたね〜寝てなきゃダメよ?」

「はい」
< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop