間違ってる?間違ってない?
11. たかだか?
二、三日分の着替えを持って
出ただけだから
マンションに着替えを取りに
行かなければと思い
マンションへ行くと
携帯を耳に当て話している
大和の後姿が見えた。
仕事の話しだろうか?
まさか·····元···嫁?
更に近づくと
「いや、まだ、帰ってない。
ああ、うん、うん、
わかってる。
そりゃ、黙っていたのは
悪いと思っている。
言っているつもりだったんだよ。
料理も沢山作ってくれていたし。
だけど、たかだか誕生日だぜ。
それも、俺の。
俺が祝って欲しい人に、
祝って貰って何が悪いのか
俺にはわからない。
ヤキモチやいているだけだろうし
帰って来るだろう。」
たかだか誕生日?
俺が祝って欲しい人に
祝って貰って
何が悪いのか·····わからない?
どうして·····?
ジリっと音がなり
振り向いた
大和の顔は驚きが·····
「たかだか、誕生日如きに
騒いで悪かったわね!!
大和が誕生日を祝って欲しいのは
私でなくて元の奥さんなんだ。
それなら、どうして
私に告白したの?
元の奥さんのそばにいたいなら
どうして、私にプロポーズしたのよ?!」
と、叫ぶ私に
「大和?!大和?!」
と、電話の向こうで言われていたのか
「すまん。美穂。
また、連絡する。」
と、言う大和を無視して
その場を後にした。
大和が、追ってきて
手首を取られたが
「触らないで!!!」
と、振り落とし
涙を拭きながら
来た道を戻った。