間違ってる?間違ってない?
27.あれから

···かけた部屋 大和①


二人で暮らしていた部屋に戻ると
あちこちがかけていた。

今まであった物が·····ない。

皿やマグカップ·····
二つあった物が
 一つ···しか···なくなっている

歯ブラシやスリッパも·····

その場に座り込む

どうして? どうして? どうして?

と······思う····自分がいた。


異動願いは、受理されて
新しく支店を置く福岡に決まった。

両親と美穂を始め原田の両親にも
報告をした。

美穂は、俺達の離婚に責任を
感じていたが
俺の父親が
「この大和の送別会で
この集まりも止めましょう。
美穂ちゃんは
大和達の離婚に責任を感じる
必要は、なにもないよ。
悪いのは、全て大和だから。
これからは、美穂ちゃんは、
美穂ちゃんが思う様に
暮らしたら良いよ。」
と、言うと。
「おじさん······
と、美穂
「あなた····
と、母親が。

「これからは、子供抜きで
俺達だけで旅行に行ったりしよう。」
と、父親が言うと。

原田の両親も母親も
「「そうだね。そうね。」」
と。
「うん。あちこち行こうよ。
歩けるうちに。」
と、母。

子供達から卒業と
新たな両家の付き合いを
するみたいだ。

多分、父は、母の気持ちを
考えてこの提案をしたのだろう。

俺は、改めて
五人に頭を下げて
新転地で頑張る事を伝えた。

一度 福岡に行き
支店に挨拶をして
新居を決めた。

粗方、支店の方が探してくれて
いたので、直に決めることが出来た。

マンションを解約して
荷物の搬送を依頼して
福岡へと向かった。

福岡では、新しい支店の立ち上げと
銀行運営が始まり
毎日 バタバタと忙しく
俺としては余計な事を考える余裕も
なくて助かった。

銀行が落ち着いたのは、
半年後だった。

福岡は、神奈川とは違った
華やかさがある。

夏帆の事は異動の時に
無事に退院したと聞いた。
大事なか至らなくて
本当に良かったと思った。

俺自身もゆっくりと福岡に
溶け込んで行こうと
思っていた。
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