間違ってる?間違ってない?
28.願う

···大和と父


実は、美穂の結婚式に帰省した時
夏帆を見かけた。

式場の見学?に来ていたようだ。
背の高い綺麗な顔の男性と
顔を近づけながら
楽しそうに話していた。

その顔は、本当に幸せそうで
良かった~と、思う気持ちと
寂しい気持ちがあった。

「夏帆。
夏帆の今度の誕生日は、
俺のお手性料理を
お披露目するからな。」
「えっ、睦君、料理できるの?」
「夏帆ほどうまくないけど。
今、師匠に教わり中。」
と、携帯を夏帆に見せている男性。
夏帆の顔が段々と破顔して行き
涙が流れていた。
夏帆の口は、❛ かあさん ❜
と、動いていた。
お母さんに習っているのか。

夏帆の涙を拭きながら男性は、
「楽しみにしてろよ。」
と、言っていた。

俺にもう少し
いや、少しじゃないな
配慮があったら
今でも、夏帆とうまく行って
いただろうか?

三度目は····くるかな····
分からないが、
もし、巡り会えたなら
大切に大事にしたい
と思っていると
人の気配がして見ると
親父で。

親父も夏帆達に気づいたみたいで
夏帆を見て嬉しそうな顔を
していた。
「母さんが呼んでるぞ。」
と、俺に言って
二人でその場を離れた。
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