間違ってる?間違ってない?
···それぞれの幸せ
大和と離婚して五年が過ぎた。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
「ちび助は、ねんねかな?」
「さっきまで起きていたのに。」
「夏帆、ありがとな。
中々、子育て手伝えなくてごめんな。」
「ううん。大丈夫だよ。
私こそ、優しい言葉をいつも
言ってくれて、ありがとう。
陽( はる )は、手が掛からないし
両家のおばあちゃん達から
可愛がって貰ってるから
心配ないよ。」
「ああ。最強な二人な。
だが、甘やかし過ぎないと
良いけど。」
「うふふっ、そうだね。」
睦君は、手を洗ってから
陽を抱いて
ベッドに寝かせていた。
本当は、寂しいのだろうと
思うが、お仕事だから
仕方ない。
睦君は、消防士から救命救急の試験を
受けて救急救命士になり
今は、救急救命士の隊をまとめる
隊長として勤務している。
その為、お休みの日以外は
帰りは、遅い。
私も陽を妊娠してから
八ヶ月まで銀行に務めて
退社した。
両家の母親達から
「陽の面倒は見るから
仕事がやりたいなら、やりなさい。
子供の成長がみたいなら
一緒にいて
大きくなって仕事をしても
よいから。」
と、言って貰えた。
仕事はいつでも出来るから
睦君に相談して
銀行を辞めることにした。
倉橋さんや晶ちゃん
穂積君や山田君と離れるのは
寂しいけど
会おうと思えば四人には会える。
結婚式にも来てくれた四人。
晶ちゃんは、
睦君との結婚式で
友人代表もやってくれた。
穂積君の方が先に結婚式を挙げて
私達は、三人で出席をした。
晶ちゃんは、もうすぐ結婚する。
山田君は、
「まだ、仕事がやりたい。」
と、言っていた。
倉橋さんは、銀行の事件の後に
結婚をした。
事件を知った恋人が
心配だからと倉橋さんの
両親を説得したらしい。
皆んな、それぞれ幸せに過ごしている。