再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
「だから、割と広くて良いマンションを探していたんだね。ごめん、お金あるのかなとか思っちゃった。亮ちゃんおぼっちゃんだったんだ。」
「やめてくれよ、その言い方。おじさんの子供は御曹司だけどさ。専務の高野進さんがいとこで時期後継者だよ。」
「亮ちゃんもアメリカ支社の後継者ってことでしょ?」
「いや。それに関してはまだ。一度日本に帰りたかったんだ。それだけは譲れない。」
「そうか。なら、午前中見た物件でもいいんじゃない?会社割と近いし、繁華街も遠くないし。」
「雫の家と反対方向だからイヤだ。」
ん?なんて?
「……何言ってんの、亮ちゃん。」
「お前を送って帰れないからイヤだと言ってるんだよ。」
どうしちゃったの、亮ちゃん。訳わかんない。
「雫。お前に会いたくて帰国したんだ。」
「え?」
「おじさんからは、雫のこと少し聞いたりしていたんだ。楓の結婚のことは知らなかった。おじさん気を遣ってくれたのか知らないが。雫がウチの会社に受かったのは連絡もらって、もっと早く戻りたかったのに3年も経ってしまって。」
なんて?どういうことなの?会いたかった、話聞いてた?