再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
「……昔から、雫が好きだった。お前は?俺のことどう思ってる?」
突然、手を握られてデザートを食べようとしていたフォークがカチャンと落ちた。
真っ直ぐな瞳。信じられない。嘘じゃないんだよね?
「……お姉ちゃんじゃなくて、私?」
ぐっと力を入れて握る手。
「どうして楓?俺は、雫が好きだから断った。でも雫が好きだからとは楓には言ってない。好きな人がいると答えただけだ。」
「本当なの?」
「聞いてるのは、こっちだ。雫の気持ちを聞いてるんだ。」
「知ってるくせに。私の気持ちなんて。」
「昔なら少しは自信があった。だけど、楓とのことでお前に近づきにくくなって、渡米したまま、連絡もできなかった。今お前に他に男がいたら、奪い返すくらいの気持ちで帰ってきたんだ。今の雫の気持ちはどうなんだ?」
じっと亮ちゃんの目をみつめてハッキリ言った。
「……好きです。今でも好きだと思いました。この間あったときから、また好きになってしまいそうで怖かった。」
手を引っ張られて、亮ちゃんの口元へ持って行かれる。
温かい感触がして、離された。
「……良かった。今日は帰さないからな。」
え?なんて?
「今日からお前は俺の女。彼女ってことだぞ。」
びっくりして瞬きを繰り返すと、早く食べろよと言う。
どうやったら食べる気分になると言うのよ!