再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
「ふーん。二課に来るってこと?新しい課長様は……。」
「いや、それがどうやら……。」
小さい声で「……総会後に三課が出来ると噂になってる。たぶんそこだよ。」と言う。
なら、まだ時間あるじゃない、どうして今日?と眉間にしわを寄せて返すと、後ろがざわざわする。
廊下を聞こえるおじさま達の声。
部長の声だ。
それと、……隣には、え?
見たことあるような顔だな。えーっと?
「高野君はこちらのフロアには来たことあったかな?」
「いいえ、初めてです。ありがとうございます。」
「総務部だからね。美人どころが集まった、ウチの花畑だ。」
部長がニコニコしながら、フロア内に進んでくる。
嘘でしょ……高野って。
あの、亮ちゃんに似てるけど、違う?
「花崎さん。こちらへ。高野君、紹介しよう。うちの総務部のチーフをやっている花崎さんだ。」
「……初めまして。高野亮です。もうすぐこちらで働くことになります。よろしく。」
「こちらこそ、よろしくお願い致します。総務部の花崎雫です。」
頭を下げる。
は・じ・め・ま・し・て。そう言ったよね。
顔を上げられない。忘れちゃったのかな、私のこと。
それとも8年ぶりでわからないのかな。
頭を上げない私をじっと見つめる目には気づかないうちに、高野亮さんはいなくなった。
「いや、それがどうやら……。」
小さい声で「……総会後に三課が出来ると噂になってる。たぶんそこだよ。」と言う。
なら、まだ時間あるじゃない、どうして今日?と眉間にしわを寄せて返すと、後ろがざわざわする。
廊下を聞こえるおじさま達の声。
部長の声だ。
それと、……隣には、え?
見たことあるような顔だな。えーっと?
「高野君はこちらのフロアには来たことあったかな?」
「いいえ、初めてです。ありがとうございます。」
「総務部だからね。美人どころが集まった、ウチの花畑だ。」
部長がニコニコしながら、フロア内に進んでくる。
嘘でしょ……高野って。
あの、亮ちゃんに似てるけど、違う?
「花崎さん。こちらへ。高野君、紹介しよう。うちの総務部のチーフをやっている花崎さんだ。」
「……初めまして。高野亮です。もうすぐこちらで働くことになります。よろしく。」
「こちらこそ、よろしくお願い致します。総務部の花崎雫です。」
頭を下げる。
は・じ・め・ま・し・て。そう言ったよね。
顔を上げられない。忘れちゃったのかな、私のこと。
それとも8年ぶりでわからないのかな。
頭を上げない私をじっと見つめる目には気づかないうちに、高野亮さんはいなくなった。