再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
ライバル登場
翌日。熱が下がってきたが、まだ身体がふらふらするので、休みをもらった。
久しぶりの休み。
体調不良で休むなんて、初めてだった。
澄ちゃんから、メールをもらった。
そして、亮ちゃんとのことを問い詰められた。
会社で私を抱き上げてエレベーターから消えていったことが噂になり、新田さんとのこともあり、釈明が必要だと言う。
また、メールを読んだだけで熱が上がってきた。
亮ちゃんは、身体を心配する内容だけのメール。
絶対会社で質問攻めにされているに違いないのに。
新田さんだってそう。
どうやって、どんな顔して行けばいいの?
夜になるとまた熱が出てきた。
そんなこんなで水曜日まで休んでしまい、どんなだよ?と自分で突っ込みたくなる。
水曜日の夜、亮ちゃんが訪ねてきた。
「雫、具合どうだ?」
「うん、さすがにもう大丈夫。ごめんね、色々と。」
亮ちゃんは、私のおでこに手をやると、ほーっと息を吐いた。
「下がったようだな。……会社のことだが……」
「……噂になってるって聞いた。私のこと助けたから。」
亮ちゃんは、苦笑いを浮かべた。
「ごめん、相変わらず雫のことになると、余裕なくてさ。お前が倒れかかってきたら、感情吹っ飛んで、周りを忘れていた。かなり見られて噂になった。だけど、幼馴染みだということは伝えてあるので、とりあえず沈静化してる。新田も今日からアメリカだ。しばらくは大丈夫だろう。」