再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
 
 私は、涙をきちんと拭いて、会議室を出た。

 部長にちょっとと声をかけられて、また会議室にUターン。

 「……花崎さん、言える範囲でどういうことか教えてくれる?悪いようにはしないから。」

 「……すみません。高野課長とは幼馴染みだったんです。帰国されて八年ぶりに再会して、親しくさせて頂いています。家族ぐるみなんです。」

 「そうか。ここのところ、まあ三課の他の人とも噂になったりと、大変だったね。でも、噂もね、馬鹿に出来ない。相手が相手だし。課長とのことが幼馴染み以上ということであればそれなりに色々あるだろう。」

 「ご迷惑おかけして本当に申し訳ございません。皆さんに、これ以上迷惑かけないようにしますので。」

 「そんなつもりで言ってるんじゃないんだよ。心配でね。大事な仲間だからさ。原田さんのことは、これからだろうし。」

 「……何かあればご相談させていただきますので。本当にすみません。」

 「いやいや、僕も出来る限り防波堤になるけどね、本当のところを聞いてないからさ、まあ、支社長が来たということはそういうことなんだね。応援するってことで大丈夫?」

 「ありがとうございます。そうして頂けたら。」

 「わかった。上から圧力かけて噂話を止めるようにするからね。」

 なんていい人なんだろう。ありがたくて涙でそう。
 皆さん、本当に私の味方してくれる。

 
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