再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした

 その日、亮ちゃんから夜に連絡が来た。
 お父様と話をして、私とした話を全部聞いたと言ってきた。

 日曜日の話になった。

 先に亮ちゃんが原田さんに会って、直接私の話をする。
 その後必要なら一緒に彼女と会って欲しいと頼まれた。

 昼過ぎに亮ちゃんからメールが入り、原田さんと会っているが出てこれるかと時間と場所が書いてある。
 準備はしていたので、すぐに行くと連絡して待ち合わせ場所へその時間に着いた。

 ツインスターホテルのロビー。

 ロビー横にあるカフェに背の高い亮ちゃんの姿が見えた。
 向かいには原田さんが座っている。

 カフェに入っていくと、亮ちゃんが気づいて手招きした。
 原田さんが振り向いて、不敵な笑みをうかべている。
 思った通り、説得できていなそう。

 「雫、ありがとう。」

 「花崎さんね。原田です。よろしく。」

 「こちらこそ、よろしくお願いします。」

 亮ちゃんの隣に腰掛けると、亮ちゃんがウエイターを呼んでコーヒーでいい?と聞きながら注文する。

 
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