再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした
「雫。俺がどれだけ我慢してるかわかってる?お前、毎日綺麗になっていく。それなのに、急に妊娠がわかって、お預けくらってるんだぞ。」
「自業自得でしょ。」
「……きついな。雫、俺につめたくなったな。二十七歳になったのに。」
「もう。五ヶ月になったら一度アメリカに行くんでしょ。」
「ああ、仕事も兼ねてね。パーティーも母さん張り切ってる。楽しみだな。」
「お父さん達も結婚式のつもりで来るみたいだし。お姉ちゃん可哀想だけど。」
「これないこともないんじゃないか?まだ八ヶ月だしな。」
「長時間大きなお腹でフライト無理だよ。日本での式を早めに挙げられるといいんだけど。」
「あんまり、わがまま言わず、大きな式でなければ挙げられるだろ?」
「そうね。ただ準備する時間がないのよね。一生に一度だし、自分で納得いくようにやりたいという気持ちもあるから。」
「雫にまかせる。いつでも式はいいよ。雫さえいれば俺は式なんてどうでもいいんだ実は。」
そう言って、私にキスを落とした。
あっという間に五ヶ月に入った。
驚くことがあった。原田さんは専務とウマが合ったのか、秘書業務を楽しんでいるようだ。
専務とプライベートでの噂もあるくらい。亮ちゃんも、専務が縁談を断っていると聞いて、驚いていた。
「まさか、優樹菜とどうにかなるとは思っていなかった。進さんはすごいな。あの優樹菜を操縦出来るとは、尊敬する。」
「失礼ね。亮ちゃん、優樹菜さんは付き合うと結構面白い人よ。今回のアメリカ行きの前も、いい産婦人科とか美味しいスイーツの店とか全部教えてくれたし。」
呆れた顔をして亮ちゃんが私を見る。
「雫。まさか、優樹菜と仲良くしているとは……どうやってあのプライドお化けに取り入ったんだ?本当に驚いたよ。」
「亮ちゃんは私をまだよく知らないようね。ふふふ。大学時代の亮ちゃんのはなしもたくさん優樹菜さんから聞いちゃったし。」
「!ふ、ふざけるなよ、優樹菜のやつ。」