スウィートメモリー💝
部活もとっくに引退してしまい,皆さっさと帰って行く中で,私はもたもたと帰り支度をしていた。

今日はどの教科を持って帰ろうと,教科書を入れたり出したりしていたせいだ。

読み終わった本があることを思い出して,取りに走った所で,亜季1人が帰らないことに気がつく。



『亜季さん,帰らないの?』

『ゆっくりしてたら皆帰っちゃって』

『うん? そうなの?』

『だから,愛來待ってようかなって』



……なんで?

ガクンと抜けそうになった膝を,なんとか支えて



『え~?! ちょっと待ってて,あと少しだからっ』



そう笑えた私は,きっとえらい。

どきどきし過ぎて,その後は顔をあげられなかった。

亜季にとっては,私と帰ることなんて普通なんだ。

そう言い聞かせながら,私は準備を終えた。

だって……
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