スウィートメモリー💝
「どうしたの? 今日いつもより更に可愛いね」

「そっそうかな。ちゃんと似合ってる?」



いつもより更に,だって。

本当にあずみは褒めるのが上手なんだから。

そんな風に言われたら,お世辞だと分かってても嬉しくなってしまう。

今日そうであることが,私にとってどれだけ大事なことか。

だからつい,不安に思っていることも素直に聞いてしまうのだ。



「うんうん。もしかして今日,渡すの? 本命」

「え!」

「可哀想だから黙ってたけど,私しってるよ。……好きなんでしょ,亜季のこと」



ミディアムの髪をさらっと揺らして,私に近づいたあずみはそんなことを囁く。

私はピクンと肩を上げて,目を泳がせた。

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