君に向けたプロトコル
2人を見送った後、前川くんに『黒瀬さんは家族から大切にされているね。』と言われた。
他人から言われる事で改めて大事にされてるなぁ。とは思う。それでも、それが何となく恥ずかしくてお兄と楽の兄の喜くんの会社が『チョコクラ』の開発会社である説明へと話を変え誤魔化してしまった。
それを黙って前川くんは所々頷きながら聞いてくれていた。
「お次のお客様どうぞぉ〜。」
チョコクラのイメージカラーであるピンクと茶色の制服を着た店員さんがワントーン高い声で2人を席へと案内してくれた。
「見て!ウサ親父パフェが可愛い♪」
メニューの写真を指さしながら前川くんを見ると意外と近くに顔があることに気づきドキっとする。
「ほんとだ!こっちもサンドイッチもパンがウサギの形になてるね。」
前川くんも二人の距離の近さに気づいたようで、頬を赤くしながら気まずそうに水を飲む。
それから、それぞれの食べたいものと二人で一緒に食べたいものを1つ選び、オーダーをした。
「…なんかさぁ。さっきから俺たち、周りのお客さんに見られてない?」
「そうかな?前川くんの知り合いとか?…大丈夫?」
私に友達なんていないし、知り合いに出会うとしたら前川くんの方だ。
「…す、すいません!一緒に写真撮ってもらえませんか??」
可愛らしい女の子二人組がやってきてスマホを構える。モテる男子はどこへ行ってもモテるのだなぁ。と一葉は関心していた。
「いいですよ。私撮ってあげる!じゃぁ、彼を挟んで立ってください。」
「えっ?俺は嫌だよ…。」
「一枚くらい、いいじゃない。」
と言って、彼女たちからスマホを受け取ろうとしたのだが、
「あ、違うんです。彼女さんの方と一緒に撮りたくて…。」
「彼女さん?」
「わ、私!?」
「はい、マカロンちゃんにそっくりなんで、是非一緒に写真を撮っていただきたくて♥」
「一枚くらい、いいんだろ??」
口元を抑えながら肩を震わせ隣で前川くんが笑っていた。
仕方なく三人でマカロンちゃんのゲームクリア時の勝利のポーズを取りながら撮影をすると、めちゃくちゃ喜んで席へと戻っていった。
「黒瀬さんがマカロンちゃんに似ていると思ったのは僕だけじゃなかったね。」
カフェを出た後も何人かに声を掛けられ写真を撮る羽目になった。
そんなに似てるのかなぁ…。
今までかんがえもしなかった…。
「沢山グッズも買えたし、今日は一緒に来てくれてありがとう。そろそろ解散にしよう!黒瀬さんは護衛の彼に連絡するんでしょ?」
「あ、忘れてた。」
気が付けばすっかり夕方になっていた。
前川くんに言われたので楽に連絡をする。
「今いる場所を伝えたらここに来るって。」
「じゃあ、引き渡しが完了するまで一緒いるよ。」
「今日は誘ってくれて有難う。前川くんといると変に気を遣わなくて済むから楽しかったよ。」
「僕も楽しかったし、何よりも黒瀬さんの可愛い姿見られてラッキーだったよ。」
前川くんは何かに気付くと、急に一葉の耳元に口を寄せ、
「僕、黒瀬さんの事を好きになりそうだ。」
と囁いた。
その瞬間、グイッと肩を掴まれ後ろに引っ張られた。
「一葉、またせた。前川くんだっけ?世話になった。後は俺が送るから大丈夫だ。」
肩を掴んだのは楽だった。
「じゃあ、黒瀬さん、また明日学校で!」
前川くんは爽やかにイベント会場の出口へと向かっていったが、一葉は耳元から彼の声が離れずに耳まで赤く染めて動けずにいた。
す…好きになりそうだ。って事はまだ好きじゃ無い?
はっ?
えっ?
何!?
突然の言葉に動けずに黙って前川くんの後ろ姿を見つまたいると、楽は一葉の手首を掴みスタッフ用の出入り口へと向かい歩き始めた。
「車で帰るぞ。」
「うん…。」
「さっき、アイツから頬にキスでもされたか?顔が赤いぞ?」
「えっ?されてないけど…。顔…赤い?」
「あぁ…少し…。されてないならいい…。」
何だろ。お兄と一緒だっだし、保護者として心配してくれてるのかなぁ?
普段、穏やかな運転をする楽だったが、帰りの車内は普段より揺れた気がした。
他人から言われる事で改めて大事にされてるなぁ。とは思う。それでも、それが何となく恥ずかしくてお兄と楽の兄の喜くんの会社が『チョコクラ』の開発会社である説明へと話を変え誤魔化してしまった。
それを黙って前川くんは所々頷きながら聞いてくれていた。
「お次のお客様どうぞぉ〜。」
チョコクラのイメージカラーであるピンクと茶色の制服を着た店員さんがワントーン高い声で2人を席へと案内してくれた。
「見て!ウサ親父パフェが可愛い♪」
メニューの写真を指さしながら前川くんを見ると意外と近くに顔があることに気づきドキっとする。
「ほんとだ!こっちもサンドイッチもパンがウサギの形になてるね。」
前川くんも二人の距離の近さに気づいたようで、頬を赤くしながら気まずそうに水を飲む。
それから、それぞれの食べたいものと二人で一緒に食べたいものを1つ選び、オーダーをした。
「…なんかさぁ。さっきから俺たち、周りのお客さんに見られてない?」
「そうかな?前川くんの知り合いとか?…大丈夫?」
私に友達なんていないし、知り合いに出会うとしたら前川くんの方だ。
「…す、すいません!一緒に写真撮ってもらえませんか??」
可愛らしい女の子二人組がやってきてスマホを構える。モテる男子はどこへ行ってもモテるのだなぁ。と一葉は関心していた。
「いいですよ。私撮ってあげる!じゃぁ、彼を挟んで立ってください。」
「えっ?俺は嫌だよ…。」
「一枚くらい、いいじゃない。」
と言って、彼女たちからスマホを受け取ろうとしたのだが、
「あ、違うんです。彼女さんの方と一緒に撮りたくて…。」
「彼女さん?」
「わ、私!?」
「はい、マカロンちゃんにそっくりなんで、是非一緒に写真を撮っていただきたくて♥」
「一枚くらい、いいんだろ??」
口元を抑えながら肩を震わせ隣で前川くんが笑っていた。
仕方なく三人でマカロンちゃんのゲームクリア時の勝利のポーズを取りながら撮影をすると、めちゃくちゃ喜んで席へと戻っていった。
「黒瀬さんがマカロンちゃんに似ていると思ったのは僕だけじゃなかったね。」
カフェを出た後も何人かに声を掛けられ写真を撮る羽目になった。
そんなに似てるのかなぁ…。
今までかんがえもしなかった…。
「沢山グッズも買えたし、今日は一緒に来てくれてありがとう。そろそろ解散にしよう!黒瀬さんは護衛の彼に連絡するんでしょ?」
「あ、忘れてた。」
気が付けばすっかり夕方になっていた。
前川くんに言われたので楽に連絡をする。
「今いる場所を伝えたらここに来るって。」
「じゃあ、引き渡しが完了するまで一緒いるよ。」
「今日は誘ってくれて有難う。前川くんといると変に気を遣わなくて済むから楽しかったよ。」
「僕も楽しかったし、何よりも黒瀬さんの可愛い姿見られてラッキーだったよ。」
前川くんは何かに気付くと、急に一葉の耳元に口を寄せ、
「僕、黒瀬さんの事を好きになりそうだ。」
と囁いた。
その瞬間、グイッと肩を掴まれ後ろに引っ張られた。
「一葉、またせた。前川くんだっけ?世話になった。後は俺が送るから大丈夫だ。」
肩を掴んだのは楽だった。
「じゃあ、黒瀬さん、また明日学校で!」
前川くんは爽やかにイベント会場の出口へと向かっていったが、一葉は耳元から彼の声が離れずに耳まで赤く染めて動けずにいた。
す…好きになりそうだ。って事はまだ好きじゃ無い?
はっ?
えっ?
何!?
突然の言葉に動けずに黙って前川くんの後ろ姿を見つまたいると、楽は一葉の手首を掴みスタッフ用の出入り口へと向かい歩き始めた。
「車で帰るぞ。」
「うん…。」
「さっき、アイツから頬にキスでもされたか?顔が赤いぞ?」
「えっ?されてないけど…。顔…赤い?」
「あぁ…少し…。されてないならいい…。」
何だろ。お兄と一緒だっだし、保護者として心配してくれてるのかなぁ?
普段、穏やかな運転をする楽だったが、帰りの車内は普段より揺れた気がした。