君に向けたプロトコル

タイムリミット

ブブッ

 まただ…。

アレから何度もメッセージが送られていた。
『何で返事くれないの?』とか、『マカロンちゃんなのは分かってるよ。』とか…。

当然、全て無視しているし、ブロックもしているのだが、その度にアカウントを変えメッセージが送られてくるのだ。

 もぉ、ほんと嫌だ。外出なんてするんじゃなかった…。

別に前川くんが悪いわけではないのだが、イベントに行った事を後悔していた。

ブブッ。ブブッ。ブブッ。

何かが連投されているようだ。
恐る恐るSNSを開くと血の気が引いた。

『マカロンちゃんの裏切り者』と言うメッセージと共に先ほど玄関前での楽とのキスショットのリンクが貼られていたのだ。

 どうして、こんな写真が…。

その後はひたすら『裏切り者』と連投されていた。

理由はわからないが、大好きな人にキスされて舞い上がっていたのに、今では恐怖しかない…。

 こんな日に限って家族は誰もいない…。

 …ら、楽。助けて…。

スマホを見るのも怖くなり、電源をオフにし机の上に伏せて置きベッドに潜り込んだ。
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