君に向けたプロトコル
一葉はリビングへ行くと一華からホットレモネードを受け取りゆっくりと口を付けた。
警察へは喜くんと楽がすべて対応してくれたので、一葉は一華の側で過ごしていた。
「ざっくりと警察に説明していたのを聞いたけど、大変だったね。」
「うん、でも楽が来てくれたから助かった。」
「楽はあんたの為ならどんな所でも行きそうだよね~。」
「えっ?なんでそう思うの?」
「…なんでって。楽ってば昔っからあんたの事大好きじゃん。てか、あんた達も付き合い始めたんじゃなかったの?」
「あんた達もって…。どういうこと?」
そう言えば、さっき楽が私の彼氏だって言ってた。どういう事なんだろう…。
一葉は頭の中を「?」で埋め尽くしていると、警察への対応と割られたガラスの片づけを終えた楽と喜がリビングへ戻ってきた。
「さて、警察も帰ったことだし、一華にもちゃんと説明しなくちゃね。」
喜はソファに座ると話始めた。
「チラッとは聞こえてきたけれど、大事な妹が何でこんな目にあっているのか説明をお願いしたいわ。」
一華の目つきが変わった。
「実は、一樹と俺がやっている会社は表向きはゲーム開発も取り扱うただのシステム会社なんだけど、実際は民間のハッカー集団なんだ。ちなみにうちの親父が裏で統括してる。ハッカーと言うと悪いイメージだが、悪いことをする奴らからシステムを守るホワイトハッカーね。今日は、やたらに不正アクセスや乗っ取りが多かったら楽と探っていたら偶然狙われている一葉ちゃんのアカウントを見つけて慌てて駆けつけたらあの男がいたんだ。やばいくらいのマカロンちゃんオタクだったね。」
「楽はホワイトハッカーだったんだ…。あ、それで前に私のIDで簡単にメッセージ送れたのね。」
「身内の俺が言うのもなんだけど、ここに来るまでの楽はかっこよかったぞ。車の中でいろんなデータを解析しながら犯人の自宅まで割り出していたし…。とっさの判断で黒瀬家周辺の警報すべて鳴らしたり。」
「あれ、楽がやったの!?突然外が騒がしくなって、犯人すごく焦ってた。」
「…誰か一人でも一葉の危険に気づいてくれればって、必死だったんだ。ちょっと鳴らし過ぎた…。」
「さっきも言ったけど、助けてくれて本当にありがとう。」
腑に落ちないような、納得できていないような顔で楽は一葉を見つめていた。
それに気づいた喜がまた噴き出して笑っていた。
「えっ?何々!?なんで喜くん笑ってるの?」
一華が不思議そうに喜を見つめる。
「あー…。なんか、俺たちが聞いている話と違って、この二人の関係は思ったよりも複雑なようだ。」
「二人の関係って恋人同士じゃないの?」
「俺はそう思ってた。でも、一葉は違うらしい。」
楽は完全に不貞腐れていた。
「だって、そんな話一度もなかったじゃん!」
「はっ!?お前、俺の気持ちに気づいてるって言ったじゃねーか!」
「そりゃ、あれだけお姉ちゃんと一緒にいるんだもん、誰だってお姉ちゃんの事好きだって気づくよ!!」
「「「えっ?」」」
一葉以外の三人の時が止まる。
「ちょっと待って!楽は一葉になんて言ったのよっ?」
一華が楽に問い詰める。
「いや…、俺の気持ちに気づいてるって言うから、一葉はどう思うかって聞いたら『ゆっくり時間をかけて』って言うから、時間をかけて恋人同士になるって意味かと…。」
「一葉ちゃんは、『ゆっくり時間をかけて』ってどういう意味で言ったんだ?」
「それは、お姉ちゃんに彼氏ができたから失恋の傷はゆっくり時間をかけて癒していけば…って意味で…。じゃあ、何で楽はお姉ちゃんに彼氏ができて複雑だったの??」
「そりゃ、同級生と自分の兄貴が付き合い始めたら変な感じだろ~。」
「ちょっと待って!お姉ちゃんの彼氏って喜くんなの!?」
「一華、お前ちゃんと話してなかったのか?」
「あれ?言わなかったっけ?」
「相手が喜くんだって一言も聞いてないよ!」
「これで誤解はすべて解けたようだな…。」
喜は一華と楽に大事なことはきちんと言葉にして話すように注意をした。
警察へは喜くんと楽がすべて対応してくれたので、一葉は一華の側で過ごしていた。
「ざっくりと警察に説明していたのを聞いたけど、大変だったね。」
「うん、でも楽が来てくれたから助かった。」
「楽はあんたの為ならどんな所でも行きそうだよね~。」
「えっ?なんでそう思うの?」
「…なんでって。楽ってば昔っからあんたの事大好きじゃん。てか、あんた達も付き合い始めたんじゃなかったの?」
「あんた達もって…。どういうこと?」
そう言えば、さっき楽が私の彼氏だって言ってた。どういう事なんだろう…。
一葉は頭の中を「?」で埋め尽くしていると、警察への対応と割られたガラスの片づけを終えた楽と喜がリビングへ戻ってきた。
「さて、警察も帰ったことだし、一華にもちゃんと説明しなくちゃね。」
喜はソファに座ると話始めた。
「チラッとは聞こえてきたけれど、大事な妹が何でこんな目にあっているのか説明をお願いしたいわ。」
一華の目つきが変わった。
「実は、一樹と俺がやっている会社は表向きはゲーム開発も取り扱うただのシステム会社なんだけど、実際は民間のハッカー集団なんだ。ちなみにうちの親父が裏で統括してる。ハッカーと言うと悪いイメージだが、悪いことをする奴らからシステムを守るホワイトハッカーね。今日は、やたらに不正アクセスや乗っ取りが多かったら楽と探っていたら偶然狙われている一葉ちゃんのアカウントを見つけて慌てて駆けつけたらあの男がいたんだ。やばいくらいのマカロンちゃんオタクだったね。」
「楽はホワイトハッカーだったんだ…。あ、それで前に私のIDで簡単にメッセージ送れたのね。」
「身内の俺が言うのもなんだけど、ここに来るまでの楽はかっこよかったぞ。車の中でいろんなデータを解析しながら犯人の自宅まで割り出していたし…。とっさの判断で黒瀬家周辺の警報すべて鳴らしたり。」
「あれ、楽がやったの!?突然外が騒がしくなって、犯人すごく焦ってた。」
「…誰か一人でも一葉の危険に気づいてくれればって、必死だったんだ。ちょっと鳴らし過ぎた…。」
「さっきも言ったけど、助けてくれて本当にありがとう。」
腑に落ちないような、納得できていないような顔で楽は一葉を見つめていた。
それに気づいた喜がまた噴き出して笑っていた。
「えっ?何々!?なんで喜くん笑ってるの?」
一華が不思議そうに喜を見つめる。
「あー…。なんか、俺たちが聞いている話と違って、この二人の関係は思ったよりも複雑なようだ。」
「二人の関係って恋人同士じゃないの?」
「俺はそう思ってた。でも、一葉は違うらしい。」
楽は完全に不貞腐れていた。
「だって、そんな話一度もなかったじゃん!」
「はっ!?お前、俺の気持ちに気づいてるって言ったじゃねーか!」
「そりゃ、あれだけお姉ちゃんと一緒にいるんだもん、誰だってお姉ちゃんの事好きだって気づくよ!!」
「「「えっ?」」」
一葉以外の三人の時が止まる。
「ちょっと待って!楽は一葉になんて言ったのよっ?」
一華が楽に問い詰める。
「いや…、俺の気持ちに気づいてるって言うから、一葉はどう思うかって聞いたら『ゆっくり時間をかけて』って言うから、時間をかけて恋人同士になるって意味かと…。」
「一葉ちゃんは、『ゆっくり時間をかけて』ってどういう意味で言ったんだ?」
「それは、お姉ちゃんに彼氏ができたから失恋の傷はゆっくり時間をかけて癒していけば…って意味で…。じゃあ、何で楽はお姉ちゃんに彼氏ができて複雑だったの??」
「そりゃ、同級生と自分の兄貴が付き合い始めたら変な感じだろ~。」
「ちょっと待って!お姉ちゃんの彼氏って喜くんなの!?」
「一華、お前ちゃんと話してなかったのか?」
「あれ?言わなかったっけ?」
「相手が喜くんだって一言も聞いてないよ!」
「これで誤解はすべて解けたようだな…。」
喜は一華と楽に大事なことはきちんと言葉にして話すように注意をした。