お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
Love.1
幼なじみの背中
青い空に浮かぶ大きい入道雲。
セミの鳴き声が夏の暑さを強調させる。
「ふぅ……」
額から流れる汗。
麦わら帽子をかぶってるお陰で、少しは暑さも凌げてるはず。
私、水瀬陽葵は訳あって幼なじみの家に向かっている。
事の始まりは夏休みに入って、2週間経った日だった。
お父さんが1ヶ月海外に出張することになったのだ。
夏休みという事もあり、お母さんの提案で家族3人で海外に行く事になった。
もちろんお父さんは仕事で行くから、私達は別でホテルを取って観光。
その予定だったんだけど……。
急な出張と夏休みの時期という事で、どこのホテルも満室になっていた。
唯一あるのはビジネスホテルの1部屋だけで。2人が泊まるにはとてもじゃないけど無理だった。
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