お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
たぶん、私がまだリビングにいたからだと思うの。
一瞬だけ目が合うと「今日はもう寝ようか」って言って電気を消した。
まるで距離を取ってるみたいだった。
物理的な距離。
その日を境に、私はゆうくんが一定の距離を持っていることに気付いてしまったんだ。
たぶん……私が無意識に抱きついてるのも、ダメな方に入ると思うの。
嬉しくて、身体が勝手に動いちゃってるから……意識しないとまた抱きついてしまう。
『離れなさい』って絶対に言う。
ゆうくんどう思ってるんだろう……。
彼女が……いるから、なのかな……?
だから一定の距離を保ってるのかな……?
そうだったら──……
いろいろ考えて行動しなきゃ。
「……まり」
「陽葵」
私の視界にゆうくんの顔が急に飛び込んできて、思わず目を見開いた。
「わっ!びっくりした」