お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ゆうくんごめんなさい!今からでも戻ろ?」
「いいよ別に」
「……ごめん、なさい……怒んないで……」
え。
陽葵の震えた声に俺は立ち止まった。
「何で?怒ってないよ?」
「じゃあ何で帰ろって言ったの……?」
「それは……」
陽葵に触れようとするあの子を見たくなかったから……あのままいたら、絶対陽葵に触れるだろう。
それに、妹じゃ嫌って可愛い事言うから……。
そんな陽葵を誰にも見せたくない。
なんて言葉が口に出せるわけもなく。
「陽葵が元気無いって言うから」
当たり障りの無い事を言った。
「やっぱり私のせいだ……戻ろ?」
そう言った陽葵は俺の手を引っ張って、みんなの所に戻ろうとする。
俺はそんな陽葵の頭を撫でた。
陽葵に嫌な思いしてほしくない。