お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
一瞬ドキッとした。
その質問って、好きな人に好きな人がいないかの確認だろ……?
陽葵……俺のこと……。
「ゆうくん、彼女がいるから……彼女を悲しませないように、あのとき……ベッドで寝るの頑なに断ったのかなって」
あのときって、俺がソファで寝るって言ったときだよな?
「あー……いや、それは……俺の事情」
「ゆうくんの事情?」
「……」
ジーッと俺を見つめる陽葵の瞳が、俺の心臓を早くさせる。
何でこんなに可愛いんだよ。
「てか、俺彼女いないから。そんな心配しなくていいよ」
いろんなものから逃げるように、陽葵の顔を手の平で覆った。
「わっ……!」
そんな顔で見るな。
「そー言う陽葵はどうなの。いるの?彼氏」
顔を隠すように覆っている手の平。
それを退けるようにして、俺の手を掴んだまま陽葵は顔を出した。