お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「いないよ……」
上目遣いで恥じらう姿は、破壊力抜群で。
今度は俺が視線を逸らした。
はぁ〜〜。
いろいろ保たねぇって。
てか、彼氏いないのか。
よかった……。
不意に外が光って、陽葵は掴んでいた俺の手を慌てて自分の顔に持って行った。
その手があまりにも力強くて。
笑わずにはいられない。
少ししてから雷の音が聞こえると、びくりと肩を上げていた。
ふ、ほんと可愛いな。陽葵は。
少し体制を変えて、陽葵に近づく。
「俺がずっと守ってやるよ」
目隠し代わりにしている俺の手。
ギュッと握っている手から。
その手から俺の行動がバレないように──……自分の手の甲にキスを落とした。
「……??ゆうくん今何かした?」
「何にも」
いつか、この境がなくなるといいな……。