お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

ドキッとした。


その言い方、“食べたい”って言ってるようにも聞こえるから。



「わ、私!料理よりお菓子派だから……!」

なんだか照れ臭くて、逃げるように話を変える。


「何、“お菓子派”って」

クスクスと笑うゆうくんが可愛くて、キュンとして。


うあ……。

ダメだ。悪循環だ。



「何が作れるの?」

「えと、クッキーとか……あ、ガトーショコラ作ったことある」

「え、ガトーショコラ!?凄すぎ……」

「そんなこと無いよ。ゆうくんガトーショコラ好きなの?」

「うん。まあ」

パッと視線を逸らすように顔を背けたゆうくん。



あれれ?

この仕草、見覚えがある。


視線を逸らして口もとを隠すのは

……───照れてるサイン。



「何で照れてるの?」

「いや、なんとなく」


キュン。


私は見逃さない。

ゆうくんの耳がほんのり赤くなっているのを。



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