お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「陽葵……」
「ゆうくんは寂しく無いの……?」
「寂しいけど、元々両親が海外に行ってる間の話だっただろ?」
「そう……だけど……」
「会おうと思えばまた会えるから。な?」
「……うん……」
ゆうくんの顔が見れないまま私は頷いた。
私が帰っても……ゆうくんは会ってくれる……?
朝食を食べ終えて荷造りを始めた。
泊まってる間ずっとゆうくんの部屋を貸してもらってた。
勝手にクローゼットを借りて、隅の方に置いてた服を取り出す。
リュックに詰めていくと、本当にさよならしなきゃいけないんだって思い知らされて……涙で視界が歪む。
歯ブラシ……入れなきゃ。
その涙を拭い、私は洗面所に向かった。
ベランダで洗濯物を干していたゆうくん。
もう、この光景を見ることも無い……。