お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「準備終わった?」
ガチャッとドアが開いた。
「迎えが来たぞ」
真っ直ぐ私を見つめるゆうくんに、寂しさが込み上げてきた。
我慢、しなきゃ……。
そう思って、私は下唇を噛んだ。
「うん……」
ゆうくんの後を歩き、玄関に行くとお母さんだけ来ていた。
靴を履いて、ゆうくんの顔が見れなくて……俯いたままお母さんの隣に行く。
「祐介くん、ほんとありがとね〜。陽葵が迷惑かけなかった?」
「いえ、とても楽しかったですよ」
「陽葵、お礼言ったの?」
「ゆうくん……ありがと……」
「もう、この子ったらどうしたの?俯いちゃって」
寂しい。寂しいよ……。
まだ一緒にいたい。
「あの、すみません。今日1日だけ、陽葵を預からせて頂けませんか?」
……え?
……ゆう……くん……?