お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「彼なら陽葵を幸せにしてくれるだろう」
「い、やだ……私はゆうくんが……」
「陽葵、いい加減にしなさい。俺の背中ばかり追いかけるんじゃなくて、陽葵を大事にしてくれる人を探しなさい。もう、俺から卒業するんだ」
そう言葉にしたゆうくんの瞳が……真剣そのもので。
「何で……そんなこと言うの……?ゆうくんは私を大事にしてくれないの……?」
悲しくて、
怖くて、
……声が震える。
「妹としては大事な子だ。それ以上の感情は……無い」
ゆうくんの言葉を聞いた瞬間、ブワッと涙が溢れた。
ゆうくんといる時間は楽しくて幸せだった。
「私、ゆうくんが……好きだよ」
「陽葵!」
強い口調で私の名前を呼んだゆうくんに、肩がビクッと上がった。
昔も今も変わらずゆうくんが好きだった。
でも、ゆうくんにとってそれは迷惑だったんだね……。