お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
嘘と本音 side-Yusuke
くそっ……!
荒々しくソファに座り、頭を抱えた。
嫌いって言葉……結構くるんだな。
「はぁ……」
思わず深いため息が出る。
陽葵を泣かしてしまった事に、胸が締め付けられるように苦しい。
妹、お似合い……いろんな言葉を並べて嘘をつき、本音を隠した。
陽葵の為と思って。
陽葵と俺は歳が離れすぎてる。
歳が離れた俺より同い年の光瑠くんの方が断然良いに決まってる。
陽葵を幸せにしてくれそうだし……。
頭でそう思っても、本心が違う。
ずっと俺の隣にいてほしい。
陽葵が好きで好きでたまらない。
俺だけに笑いかけてほしいし、独り占めしたい。
3年という差が、こんなにも俺を苦しめるなんて。
「どうすれば良いんだよ……」
そう呟いた時だった。
雨の音が聞こえたのは。