お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
ゆうくんの視線が一瞬だけこっちを向いた。
……?
どうしたんだろ??
「さっきから俺見てる?」
わわっ。
見過ぎちゃった……!
私は慌てて視線をまた鞄の方に持っていった。
「ご、ごめんなさい。かっこよかったから、見惚れちゃって……」
って、私何言ってるの!?
信号が赤になり、このタイミングで車が止まった。
自滅してしまった私は顔を上げることが出来なくて、膝の上に置いてある鞄を握りしめた。
すると、なぜかゆうくんに頭を撫でられたんだ。
え?
「さっきから可愛いことしないで。抱きしめたくなる」
……え、抱きし……め?
その言葉を理解した途端、頭が爆発した。
心臓がドキドキうるさくなって顔も熱い。
鏡を見なくてもわかる。
きっと、真っ赤な顔をしてると思う。
「ご、ごめん……なさい」