お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
可愛い彼女 side-Yusuke
暗くなった夜道に車を走らせる。
トンネルに入ると、ハンドルがオレンジ色に染まる。
「ごめんな、家に着くの10時過ぎそう」
「大丈夫だよ」
あの後、陽葵と一緒に晩ご飯を食べて完全に出る時間が遅くなってしまった。
それに明日は学校だって言ってたから早く帰らせるつもりだったのに。
安全運転で、でもなるべく早く車を走らせる。
「えへへ、今日は楽しかったね」
「そうだね。何が1番楽しかった?」
「んー……1番なんて決められないや。ずっと楽しかったもん」
あーもうっ。
ほんと陽葵は可愛いこと言うよね。
「そう言えば陽葵、イルカショーのとき笑ってなかった?」
「え?」
「イルカショーって言うか、アシカの時」
「……あ!あれね」
また、ふふふと笑い出した陽葵。