お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「陽葵、着いたよ」
小さい肩を揺らすと、瞳がゆっくりと上がる。
「ん……あれ?ここ……?」
まだ寝ぼけているのか目を擦りながら陽葵は辺りをキョロキョロ見回した。
「陽葵の家の前」
「……家?……えぇっ……!!」
急に大きい声を出すからビクッと肩が上がる。
そんな陽葵の顔を覗くと、眉毛を下げてしょんぼりしていた。
「どうした?」
「寝ちゃってた……」
今にも泣き出しそうにウルウルしている陽葵。
待って。
俺何かした?
考えても身に覚えがなくて、焦る。
「え、ごめん。起こしたら悪いと思ったから……ダメだった?」
「んーん……せっかく1日デートで長くいれたのに、寝ちゃったから……ゆうくんとの時間が少なくなっちゃった」
は。
それでそんな悲しそうな顔してんの?
いや、可愛すぎだろ。