お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
窓を全開にしてるのに、風が吹いてないから部屋にこもってる熱がなかなか逃げない。
じんわりと額に汗をかき始める。
ゴミが落ちてないって言っても1週間も空けてたんだから、しっかり掃除をした方がいい気がして、隅々まで掃除機をかける。
それにしても暑い……。
一通りかけ終わった頃に、玄関に置いていたキャリーを持ってゆうくんが戻ってきた。
「ありがとう陽葵、それにしても暑いな」
「風が全然無くて……」
「よし、クーラーつけるか」
「え?クーラー??」
そう言ったゆうくんに“?”がいっぱい浮かんだ。
ゆうくんの家は1DKで、台所にクーラーなんて見たことがなくて。
クーラーがあるのはベッドがあるゆうくんの部屋だけ。
ゆうくんは自分の部屋に行き、ゴソゴソと何かを探し始めた。