お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
目を開けると、夕日に染まって赤くなった世界がいっぱいに広がった。
……え?
てん、じょう……?
辺りを見渡すと、見覚えがあるクローゼットを見つける。
そして触れる感触がフワフワで……今いる場所が布団の中なんだと理解した。
な、なんだ……夢か……。
ホッと安心したところで、ゆうくんが私を覗き込んできた。
「大丈夫?」
「え……?……ゆう、くん……?」
ベッドに腰を下ろしたゆうくんは話を続ける。
「うなされてた」
「あ……怖い夢、見た」
「怖い夢?」
「オバケに追いかけられる夢……」
思い出すだけでも怖くて、布団をギュッと握る。
「何それ」
クスクスと笑うゆうくんに、だんだん恥ずかしくなってきて。
そりゃそうだよね。
高校生にもなってオバケの夢見るなんて。