お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

「やっぱ記憶ないんだ」

なんて声が聞こえて。


うぅ……。
最悪。


見られたあげく、私からお願い?したみたいだなんて……。

それに今回は全く覚えてない。


ぷっくりと涙が浮かんでくる。



これじゃあ、

「お嫁に行けない……っ」

布団の中でそう呟いた。



「俺のところに来ればいいじゃん」


……え?


聞き間違い……?


今、俺のところに……って聞こえた気がしたよ……??



布団の中でグイッと涙を拭いた。


勘違いかもしれないし顔が見たくて布団から出ると、ゆうくんと視線が絡む。


ドキッ



「どこに嫁ぐ気なの」

ハハッと笑いながら言ったゆうくんは、どこか照れ臭そうで。



「俺のところに来ないの?」



そんなの、決まってる。


「……行く。行きたい……っ!」


なんでかわかんないけど心臓がドキドキと騒いでる。


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