お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
情けない。
欲望のままに陽葵を求めていた。
視線は床を捉えて、やってしまった後悔に打ち拉がれる。
「祐介のそんな顔初めて見た」
そう言った蓮はトンッと俺の肩を叩いた。
「相当陽葵ちゃんのこと大事にしてんだな」
「……当たり前だ」
昔からずっと好きだったんだ。
素直で、無邪気で、久しぶりに会った陽葵は昔と変わってなかった。
そんな陽葵を見て、一瞬にしてあの頃に戻らされたんだもんな。
陽葵の屈託の無い笑顔に癒されて幸せを感じて。
ずっと一緒にいたい。
大事にしたい。
そう、思ったんだ。
「風呂行ってくる」
ゆっくりと立ち上がって蓮に背を向ける。
……。
「手、出すなよ?」
念を押すようにそう言うと、蓮は目を見開いた。
そして“当たり前”と言わんばかりに笑う。
「わかってるよ」